イラストレーターでの印刷データご入稿時の注意事項・失敗例をご紹介します。
イラストレーター印刷データご入稿時には注意することは、まずは8点!イラストレーター入稿データでの注意事例やよくある印刷データの失敗例をご紹介します。
イラストレーターデータでの注意点【8項目】
イラストレーターでご入稿頂く場合の注意点は、「アウトラインが取られているか」「レイヤーやオブジェクトにロックがかかっていないか」「オブジェクトが隠れていないか」「画像のリンクが抜けていないか」「データはCMYKで作られているか」「CMYKすべて100%でデータ作成していないか」「トンボ・塗り足しは付いているか」「完成品の出力見本は付けているか」・・・多いです!8項目もあります。
しかしこの8項目、全て必要なことばかりなので、説明と失敗するとどうなるかをご説明します。
1.アウトラインが取られているか
イラストレーターデータで避けては通れない「アウトライン化」。文字データをパスデータ化する作業のことです。
このアウトライン化がされていない場合の失敗例としては、文字が消えたり、イメージと違う文字に変わったり、レイアウトが崩れたり、自分のイメージと違った印刷物が完成すること間違いなしです。困ります!
文字のアウトライン化、必ずかけてからのデータ入稿をお願いします。
2.レイヤーやオブジェクトにロックがかかっていないか
この問題は、例えば上のアウトラインをかける場合などは、選択漏れがないようにデータ全てを選択してアウトラインを取るのが一般的だと思います。
その時、レイヤーや文字とオブジェクトにロックがかかっていれば、全選択時に選ばれずにアウトライン化されないまま入稿されてしまいます。
この場合の失敗例はアウトライン化されていない状態と同じことになり間違った印刷物ができてしまいます。
間違いなくアウトラインデータを取り、レイアウトが崩れないように意図的にレイヤーやオブジェクトにロックをかけている場合は、ご入稿時に付けて頂く見本と照らし合わせて、問題なければそのままで大丈夫です。
3.オブジェクトが隠れていないか
この機能は、使っている方と使っていない方がおられるかと思います。
製作中にちょっとオブジェクトを隠したい時に使う「Mac:コマンド+3」「Windows:Ctrl+3」というオブジェクト隠しコマンド。
一旦隠してしまうと「オブジェクト→全てを表示」を選択しない限り、見えもしないし触れもしません。
しかし!この隠したデータは印刷には出てしまうのです。
「隠して」いるだけなので、データ上は存在します。そのため、仕上がった印刷物に予期しない絵柄や、その隠したオブジェクトで文字や画像が見えないといったトラブルも発生します。
メイン画像がまるまる隠れてしまうといった悲しいトラブルも起こってしまう可能性がありますので、「オブジェクト→全てを表示」の工程は必ず行ってください。
4.画像のリンクが抜けていないか
イラストレーターで画像をデータ上に配置する場合、「画像を埋め込まずにリンク状態で使用する」と「画像を埋め込んで使用する」の2パターンがあります。
画像を埋め込まずにリンク状態で使用するメリットは、画像のデータは外にあって、それをデータ上で見せているだけなのでイラストレーターファイル自体の容量を低く抑えることができます。
しかしデータ上で見せているだけなので、入稿時に元の画像データが無いと、画像があったであろう場所は空白状態になってしまいます。
画像を埋め込んで使用する場合は、イラストレーターデータに直接埋め込むのでデータ容量は大きくなりますが、リンク切れの心配はありません。
作業環境上、データファイル容量を大きくしたくない場合はリンク状態での入稿も可能ですが、必ずリンクされている元画像も一緒にご入稿ください。
5.データはCMYKで作られているか
データ製作時の最大の問題?と言われるCMYKとRGB。どちらもカラーパレットで選択して使うことが出来ます。しかし!基本的にRGBは印刷では使えません。
CMYKは減法混色とも言い、インクなどを使った実色で構成された色となります。絵の具を混ぜ合わせていく感じをイメージしてもらえれば分かりやすいかと思います。
RGBは加法混色とも言い、光で構成された色となります。テレビやモニター等の発光体から発せられる色というイメージが近いです。
CMYK=混ぜると暗くなる / RGB=混ぜると白くなる、という具合でRGBだから、鮮やかに発光しているから可能なRGBだけの色が数多くあります。
RGBで作ったデータを印刷しまうと、例えば抜けるような青空はどんよりとした空色に、鮮やかな花は暗い花に、といった全く予想していたイメージとかけ離れた印刷物が仕上がる可能性が出ます。
入稿前には必ず、CMYKデータになっているかの確認をお願いします。
6.CMYKすべて100%でデータ作成していないか
上でご説明したCMYK、混ぜるごとに暗くなっていくので深い黒(リッチブラック)を作ることが可能です。
CMYKのKである黒、黒を作る時にこのK100%だけだと、厳密には真っ黒ではなく若干グレーがかった黒になります。
深い黒を出したいためにCMYK全ての数値を100%にして黒を作ると、Kだけ100%よりもより深い黒色になります。
しかし!この全数値100%は、特に工場生産での大型印刷機を使用する場合にエラーが発生します。
データエラーで戻って来ればまだ良いのですが、所々に不具合が出て、例えばある一定の場所だけ色が抜けている等の問題も出る可能性があります。
協和産業パッケージファクトリー推奨のリッチブラックは
C=100% / M=70% / Y=60% / K=100% の計330%を目安に、合計が350%を超えないように調整をしています。
深みのある黒をデータで使用する場合は、CMYK合計が350%を超えないように製作をお願いします。
7.トンボ・塗り足しは付いているか
トンボとは「この場所で紙を切断しますよ」というガイドのことです。
家庭用プリンター等では、A4をプリントしたい時にA4の紙を入れるのが一般的ですが、印刷工場や業務用印刷機は大きな紙をセットし、ここにデータをプリントして、最終的に裁断してA4であればA4を切り出します。
トンボが無いと、たとえA4の印刷でデータがA4で作っていたとしても印刷することができません。
そして「塗り足し」。これはA4仕上がりの場合、バックの画像や色を仕上がりサイズ一杯まで印刷したい場合に必要となります。
印刷時に仕上がりをはみ出して印刷し、裁断すると俗に言う「フチなし印刷」が出来上がります。
塗り足しの目安は上下左右3mm程度となっています。塗り足しが多い分にはあまり問題ありませんので、フチなし印刷をする場合は十分な塗り足しの準備をお願いします。
8.完成品の出力見本は付けているか
印刷物の完成見本!出力見本もしくはJPG等編集出来ない画像データでのご提出は、必ず必要となります。
印刷工程に入るとき、データ自体に上記に該当する問題が無ければ印刷は進行します。
お客様がデータを完成させる時に、何かに当たってちょっとオブジェクトを回転させたり、意図せずオブジェクトを消してしまったり、思っている画像と違う画像がリンクされていても印刷されます。
データ上は問題無いので、完成見本が無いとこちらでは間違えているかの確認が出来ません。
出力見本と違う場所があれば、印刷前に確認してご連絡入れさせて頂きますので、印刷見本のご提出は必ずお願いします。
イラストレーターデータご入稿時の注意する点、トラブルが起こりやすい点は上記となります。上記以外にも、たとえばパターンデータに関するトラブルや色々細かな分からない点等がデータ製作時には出てくると思います。
イラストレーターでのデータ入稿に関することなら何でもお気軽にお問い合わせください。